四国八十八箇所巡りなどで知られる「石手寺」に行ったことはありますか?
石手寺は四国八十八箇所の第五十一番札所に数えられており、お遍路の元祖とされる衛門三郎という人物の伝説が残る寺院です。
四国八十八箇所巡り中の1つのお寺ですが、お遍路ではない普通の参拝で来られる方も多いです。
実際、石手寺の中はすごく充実していて、参拝の他にも多くの見どころがあります。
摩訶不思議な像が点在していたり、七不思議に数えられるような珍しい品があったり、洞窟に入れたり、一日いても飽きないパワースポットとして親しまれているのです。
この記事では、石手寺にあるものや石手寺でできることを紹介していきます。四国八十八箇所巡礼をしたい方も、観光で訪れたい方も是非ご覧ください。
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※記事内容は2024年8月22日時点のものとなります。
値段や施設の説明などは閲覧日により変更されている場合があるため、公式サイトをご確認ください。
石手寺の基本情報

●拝観時間・拝観料金
山門 | 納経所 | マントラ洞窟 | 清浄洞窟(第二洞窟) | 宝物館 | 五十一番食堂 | |
拝観(営業)時間 | 無休 | 7時~17時 | 8時半~16時半 | 8時半~16時半 | 8時~17時 | 8時~17時 |
拝観料金 | 無料 | 御朱印1枚300円 | 100円 | 100円 | 大人200円/子供100円 | やきもち 5個/450円 10個/900円 |
●住所
〒790-0852愛媛県松山市石手2-9-21
●アクセス例
例①松山ICから車で約23分
例②JR松山駅から伊予鉄バスで約30分
例③松山空港から車で約30分
※道後温泉街から歩いて15分くらい
石手寺の名前の由来と衛門三郎(えもんさぶろう)について

ところで、石手寺(いしてじ)という名前には、天長年間に起きたとされるある伝説が関わっています。
この伝説を知ることで、石手寺という寺の不可思議さや奥深さをより理解できるかもしれません。
~伝説の内容~
お話の中心となる人物は衛門三郎(えもんさぶろう)と言い、伊予国を治めていた河野家に生まれましたが、非常に欲深く意地悪で、人望もありませんでした。
ある日衛門三郎は、托鉢に訪れた弘法大師を繰り返し追い払うという無礼を働いてしまいます。
その結果、衛門三郎の子供たちは皆亡くなり、悲しみに暮れました。
改心した衛門三郎は弘法大師を探すため、四国巡礼の旅を決意します。これがお遍路の始まりと言われています。
旅半ばで病に伏した衛門三郎はついに弘法大師と再会し、来世は再び河野家に生まれて、今度こそ善意ある行いをしたいと伝えました。
弘法大師はその思いを受け取り、路傍の石に「衛門三郎再来」と書いた後、死にゆく衛門三郎の左手に握らせました。
翌年、河野家にひとりの男児が誕生します。
彼は生まれた時から左手を開こうとしませんでしたが、安養寺の住職が祈祷すると、開いた左手から「衛門三郎再来」の石が出たのです。
この河野家の男児はその後も善意ある行動を欠かさず、「衛門三郎再来」の石もそのまま安養寺に納められました。
後にこの伝説をもとに、「石手寺」と改名するに至ります。
石手寺内だけで可能な[四国八十八箇所全ての疑似巡礼]の2つの方法があります

石手寺にはお遍路さんが多く訪れますが、時間や体力の関係でなかなか四国中に点在する四国八十八箇所全ての巡礼ができない方も多いでしょう。
石手寺では、そんな方々に寄り添った面白い取り組みが2つあります。
石手寺内だけで四国八十八箇所の疑似体験ができるのです。
お砂撫で(石手寺だけで四国八十八箇所巡礼を体験する取り組みその1)

石手寺では、四国八十八箇所全ての砂を集めています。
これらを1つ1つ撫でることで八十八箇所を巡ったのと同じ意味を持てる、超高速型の四国八十八箇所巡礼です。
また「砂を触っただけでは簡潔すぎる」という方用にもうひとつとっておきのスポットがあるのでご安心ください。
石手寺の裏山の八十八箇所地蔵巡り(石手寺だけで四国八十八箇所巡礼を体験する取り組みその2)

石手寺の裏門には「お山四国八十八箇所」という場所があります。
石手寺の裏山を、山道に沿って登って行くと札所となった小さなお地蔵さんが山中に現れて、その一体一体に「一番」「二番」……と番号が振ってあり、
山の中に計八十八のお地蔵さんがいらっしゃるのです。
全て巡れば八十八箇所巡礼をしたも同然というわけです。
「お山四国登り口」と書かれた石段があるのですが、そこがスタート地点となっています。
そしてそこから山道に沿って進んでいくと、道中にぽつぽつと番号のついたお地蔵さんが登場するのです。

お地蔵さん自体は小さいですが、丁寧に挨拶しているとかなり時間を要するので、八十八のお地蔵さん全てを巡るのには数日かかるかもしれません。
また、石手寺の裏山で八十八箇所を巡れると言っても、ある程度険しい山道を進むことになるため、そのための山歩き的な服装や体力作りやなど準備が必要です。
ただ、お参り以外にも、山道の途中に古墳の跡が見つかったり、山頂から松山城が見えたり、
この八十八箇所地蔵巡りを選んだからこその発見が沢山あるので、達成感を味わえるでしょう。

石手寺内の摩訶不思議なスポットや像について
石手寺の中には、シンプルなお地蔵さんだけでなく、妙に大きかったり小さかったり、凝ったデザインの像が沢山あります。
また、お寺にあるとは思えない変わった見どころも多いのです。
ではそんな石手寺の中でも特に魅力的な物、不思議なスポットや像などを見ていきましょう。
西安大師

山から生えたように立っている、巨大な弘法大師像です。
身体は弘法大師が修行の地とした中国の西安(せいあん/シーアン)市の方を、顔は仏教発祥の地であるインドの方を向いています。
高さは16m、顔だけでも2.4mあり、松山城から見ても姿を確認できるほどの存在感です。
遠くからでもこの西安大師を目印に、石手寺を探せるかもしれません。
西安大師のある山を実際に登ってみると、頂上まで2時間くらいかかるでしょうか?

ある程度険しい山道を進むことになります。
この山の中に、最初に触れた[八十八箇所地蔵巡り]があるのです。
ですので八十八箇所地蔵巡りをしながら頂上の西安大師を目指すのもよいと思います。
地底マントラ洞窟と清浄洞窟|石手寺の3本の洞窟について
地底マントラ洞窟

地底マントラ洞窟は、石手寺に参拝の折には是非訪れておきたい名所です。
ちなみにこちらの入口にも、大きく見開いた瞳が特徴の石像が置かれており、それが目印となっています。
200メートルほどの暗く静かなトンネルで、100円喜捨すれば入れるので、納めて進んでみましょう。

地底マントラ洞窟はまさに「不思議洞窟」で、洞窟の中にも多数の仏像やお地蔵さんがあるため、足元や頭に気を付けて歩かなくてはなりません。
通路の真ん中あたりを、道しるべのようにお地蔵さんが点々と続いているので、ぶつからないよう注意して進みましょう。

洞窟を抜けた外には奥の院(※後述)があります。
清浄洞窟


石手寺の洞窟は全部で3本あります。
地底マントラ洞窟は2本に枝分かれしており、その他に地底マントラ洞窟とは離れたところに清浄洞窟というものもあるため合計3本となります。
2本の地底マントラ洞窟はまだ微かな光もあり観光気分で歩けますが、清浄洞窟はよほど覚悟がない限り通り抜けはおすすめできません。
体がやっと通るくらいの細い階段を手探りで下り、出口まで完全な暗闇の中を歩き続けることになります。中はライト禁止なので閉所恐怖症ぎみの方には大変なストレスになるでしょう。

真っ暗のため本来の洞窟の長さよりすごく長く感じますし、体形のふくよかな方は途中で身動きが取れなくなるかもしれません。
ただ、その分清浄洞窟の出口まで来た時の達成感と安堵感はすごいものがあります。
清浄洞窟はただ入って進むだけで修行の様な体験ができる不思議な場所です。
この清浄洞窟を抜けると、「異次元空間」と評されることもある不思議な場所を堪能できます。
仏塔や様々な表情をした石像が無数に置かれており、ここも不可思議なパワーを感じられます。
地底マントラ洞窟も清浄洞窟も、訪れた皆さんは「お寺に洞窟?」と大変驚かれることでしょう。
奥の院(マントラ塔)

地底マントラ洞窟を抜けると、「風土記の丘」と呼ばれる石手寺の裏山に出られます。
とても静かな場所で、奥の院までの道を進んで行くと、首だけの石像が地面に置かれていたり、カラフルなオブジェが広がっていたり、景色は様々です。
入場すると現れるのは、巨大なたまねぎのような形をした、黄金色のマントラ塔です。
同じく黄金色のシーサーの像がありますが、彼らの背に乗る感じで立っています。
マントラ塔の手前には数千個のビー玉が溜まった場所と、それをすくうような形の大きな手の石像も目に入るでしょう。
また、マントラ塔の周辺にはまたここにもたくさんの仏像があり、五百羅漢(仏陀に付き従った500人の弟子たち)の木彫りの像など、他にも奇妙なものが沢山あります。

釈迦苦行像と呼ばれる物もあるのですが、これはお釈迦様が悟りを得る前に厳しい断食に励んだと伝わり、ここにある痩せた姿はその時の様子を表しています。
くぐり輪

本堂の隣にある、つるんとした石のくぐり輪です。
くぐった先には「元気再生石」という黒い石があり、輪をくぐって祈願すると復活のパワーが得られる・元気が戻るなどと言われています。
石手寺に訪れた際には是非この輪をくぐって健康祈願をしてください。
大師堂(落書き堂)

「大師堂」というのは、弘法大師を祀る真言宗の寺院内によく見られる仏堂です。
特に四国八十八箇所の寺には、本堂の他にこの大師堂が必ず置かれていて、お遍路の際にはどちらにも参拝するのが礼儀とされています。
石手寺の大師堂は1884年に建立され、壁にカラフルな金剛力士像の絵が描いてあるのが特徴です。
裏側に自由に落書きをして構わない白壁もあることから「落書き堂」の別名が付けられ、大師堂の背面にはお参りの感想や各自の好きな絵などが書き込まれています。
また、かつては夏目漱石や正岡子規が残した落書きもあったとされますが、現在は塗り直されているため、彼らの落書きそのものは見ることができません。
沢山の仏像やお地蔵さん

石手寺には、入り口付近・境内・裏山に至るまで、あらゆる所に仏像やお地蔵さんがあります。
例えば、入り口には跪いたような人の像や七福神、境内には様々な顔かたちの菩薩様が置かれており、数え切れません。
他にも、境内にある洞窟の内部や、そこを抜けた先の裏山などに沢山のお地蔵さんがいます。
それぞれ頭巾をしていたり、手のひらに乗るくらい小さかったり、様々です。

石手寺の国宝・重要文化財
石手寺には国宝・重要文化財がいくつかありますが、平安~鎌倉時代頃に建立・再建されたものが多く、どれも古い歴史を持ちます。
仁王門(国宝)・金剛力士像(重要文化財)

鎌倉時代に活躍した伊予国の武士・河野通継が建てた門です。
左右には運慶一門の手掛けた重要文化財・金剛力士像が安置されています。
像の左は吽形(うんぎょう)、右は阿形(あぎょう)と名付けられていて、お寺を守る役割を担っています。


本堂(重要文化財)

891年建立、1114年再建の大きな本堂です。
ご本尊である薬師如来を拝むことができます。
三重塔(重要文化財)

728年建立、1073年再建の三重塔です。
高さは24mあり、鎌倉時代の三重塔の中では最も優れていると言われています。
そばには桜の木が植えてあるので、春になれば桜と三重塔を一緒に拝むことができるでしょう。
護摩堂(重要文化財)

室町時代前期に建てられたとされる、護摩祈祷用のお堂です。
寺院内には日本と中国の建築様式が混ざった建物が多いですが、護摩堂は純粋な日本建築ということで注目されています。
鐘楼(重要文化財)

室町時代前期の1333年に再建された鐘楼(しょうろう)です。
石手寺のこの鐘楼は袴腰(はかまごし:鐘楼の下が袴のすそのように広がっていること)が付いていて、かなり珍しい形のようです。
銅鐘(重要文化財)

高さ112.1cm、直径45.5cmの大きな銅鐘です。
元は同じ愛媛県内の別の寺に安置されていたもので、興隆寺、大寶寺を経て石手寺にやって来ました。
鐘は誰でも撞ける様になっているので、石手寺にお伺いの際には是非鐘撞きもおすすめします。
五輪塔(重要文化財)

五輪塔とは、供養塔や墓として使われる塔のことで、仏教における地・水・火・風・空の五大要素を表しているとされています。
石手寺の五輪塔は花崗岩でできており、高さ2.7mの立派な塔です。
ただ、こちらは境内ではなく、北東へ進んだ山間部にあるので注意しましょう。
マントラ洞窟を抜けた裏山にひっそりと存在します。
石手寺七不思議について
石手寺にある沢山の摩訶不思議なスポットについて触れましたが、このお寺の特徴はこれらだけに留まりません。
石手寺だけの「七不思議」があるのです。
上で紹介した洞窟やお地蔵さんに負けないくらい奇妙な物や現象が数多く伝わっており、まとめて「石手寺七不思議」と呼ばれています。
1.渡らずの橋

石手寺の入り口付近にある、弘法大師が渡ったと伝わる橋で「弘法大師お道開きの橋」の別名があります。
そのため、本来は誰も渡ってはいけません。
それを破ると足を痛める、あるいは足が腐るとも言われているので、参拝の方が渡れないように、橋には障害物を置いて対策しています。
2.玉の石

「石手寺の名前の由来」でも触れましたが、衛門三郎の伝説に登場した石がまさにこの「玉の石」です。
弘法大師に看取られた衛門三郎ですが、彼の生まれ変わりの男児が握っていたと伝わっています。石手寺の宝物館に保管されおり、ここに入場すると現物を見ることができます。
石手寺にいらっしゃった際は是非宝物館にも入ってみてください。
3.蛇骨

湧ヶ淵(石手川流域にある渓谷)の大蛇の骨という物があります。
湧ヶ淵には「大蛇伝説」が残っており、それが関係していると言われています。
その昔、湧ヶ淵に雄と雌の大蛇が住んでいました。
諸説ありますが、彼らは人間を丸呑みしたり、川を氾濫させたりして困らせ、雌の大蛇に至っては夜な夜な美女に化けて男性をたぶらかしていたと言います。
溜まりかねた石手寺の住職が寺宝の石剣で雄の大蛇の首を斬り落とし、平和が戻りました。
その時の首の骨と、実際に活躍した剣とされる物が石手寺の宝物館に保管されています。
4.水天堂の水瓶

潮の干満が分かると言われる、不思議な水瓶です。
水瓶と言っても、現在は水が入っていません。
石手寺境内の右の方にあります。
5.詞梨帝母天堂の石

詞梨帝母天(かりていもてん)は、子授けや安産の神様として知られています。
石手寺にある詞梨帝母天を祀った小さな祠(重要文化財)には、小石が積まれており、これを持ち帰ると子宝に恵まれると言われているのです。
そして無事に授かれば、お礼に新しい石をお返ししに行かなければなりません。
これも石手寺境内の右側、水天堂の水瓶の近くにあります。
6.湯音石

四角い穴の開いた細長い石です。
道後温泉の湯音が聞こえるとされています。
これは境内の阿弥陀堂の前にあります。
7.大草鞋(おおわらじ)

石手寺の仁王門にぶら下がる巨大な草鞋です。左右2つ用意されています。
触れると足腰の病が快方に向かうと言われています。
8.香煙

線香を灯してお参りができるようになっている場所です。
この煙を浴びると、その部分の怪我や病が癒えると伝えられています。
9.不動石

不動明王の姿が浮かび上がると言われる石です。
仲見世の入り口右側に置かれています。
以上が、「石手寺七不思議」です。
七不思議と言いながら数がそれより多いですが、この場合の七は「七つ」という意味ではなく、あくまでも「数が多い」という意味で使われています。
また、石手寺の名前の由来となった衛門三郎の伝説によるものなのか、他の七不思議も石にまつわるものが多いです。
石手寺の境内の中の七不思議を探すのも楽しいと思います。
石手寺の宝物館

石手寺には宝物館があり、数多くの歴史的資料や不思議な置物等が眠っています。
入場料は大人200円、子ども100円です。
衛門三郎の伝説に登場する「玉の石」を始め、大蛇伝説(七不思議)の「蛇骨」、河野家の家系図など、石手寺ゆかりの貴重な品々が沢山見られるでしょう。
中は薄暗いので、注意しながら進むことをおすすめいたします。
石手寺の仲見世

石手寺の参道には昔ながらの仲見世があり、数店ですがお土産店が並んでいます。
その造りから昔はたくさんの店がでていたことが想像できます。
店は扇子やストラップ・お菓子などの記念品を買える土産物屋さんなどです。
中には、数珠や、般若心経の書かれた根付ストラップ・仏教の入門書・弘法大師のお人形といった、寺院らしいグッズもあります。

石手寺の五十一番食堂と名物のやきもち


また、石手寺の入り口付近の右手には「五十一番食堂」という食堂があり、石手寺名物の「やきもち」を買い求めることができます。
「やきもち」は餡子を包んだ薄い餅をあぶったお菓子です。
外はカリカリ、中はモチモチの食感で、味はプレーン(米粉)とヨモギの2種類から選べます。
10個入りのパックで持ち帰っても構いませんが、店内で食べる場合は甘酒や抹茶とのセットを注文できるので、そちらも良いでしょう。
この五十一番食堂はやきもちだけでなく
- 甘酒や珈琲等の飲み物
- 麺類
- ご飯類
- おつまみ
等々たくさんのメニューがあり、石手寺にお伺いの際は是非立ち寄りたいお店です。
石手寺の参拝や七不思議巡りで沢山歩いた後などには、ほっと一息つくことができます。

石手寺の万灯会(まんとうえ)について


石手寺では年に2回の夜、万灯会(まんとうえ)と呼ばれる大きなイベントが開催されます。
それは毎年8月20日に行われる大施餓鬼会の万灯会と大晦日12月31日の世界平和万灯会です(万燈会と書かれることもある様です)
写真は2023年12月31日の23時頃から開催された世界平和万灯会の模様です。
見ていただければわかる通り、石手寺内の三重塔の辺りに数えきれないロウソクを置き夜の境内が大変すばらしい荘厳なムードになります。
それはまるで年末に異世界にいる様な気持ちになります。
この日は大晦日なので、23時頃の境内は2024年元旦直後の初詣を待つ人で混雑していました。
元旦になった瞬間から本堂の鐘をつくことができるので、本堂と鐘には年をまたぐ前から列ができていました。
12月31日の深夜は五十一番食堂も開いており、寒い中でもやきもちや甘酒をいただくことができました。
屋台も数件でていました。

訪れた方々からは口々に「素敵!」「きれい!」「すごい!」の言葉が自然に出て、みなさん写真をたくさん撮っておられました。
この無数のロウソクの風景は、一生忘れることができない位素晴らしいイベントでした。
ロウソクは500円で購入することもできて、購入すると火をつけていただき自分の好きな場所に置くことが可能です。
ロウソクを買うと透明な数珠もついてきました。

万灯会(まんとうえ)とは

年に2回開催される万灯会はそれぞれ
・8月20日 大施餓鬼会の万灯会(万灯会は18時頃から)
・12月31日 世界平和万灯会(万灯会は23時頃から)
と名前がついています。
夜に無数のロウソクが見れる素晴らしさは変わりませんが、それぞれの万灯会の趣旨や目的が違う様です。
万灯会や大施餓鬼法要の詳細については、是非石手寺の公式WEBサイトをご覧ください。
https://nehan.net/event/
大施餓鬼会の万灯会(8月20日開催)


2024年8月20日に開催された万灯会(毎年8月20日開催)ですが、それは石手寺のお盆に行われる大施餓鬼法要(おせがきほうよう)の一環として行われます。
大施餓鬼法要とは、お盆の時期に行われる仏教の法要の一つで、「餓鬼」とは、餓えて苦しむ霊や亡き人々の魂を指し、「大施」とは、多くの供物や施しをすることを意味するそうです。
ですのでこの法要は、亡き人々の魂や苦しむ餓鬼を救済し、その苦しみを和らげるための儀式とのことです。


大施餓鬼法要は、先祖や亡き家族の魂を慰め、現世での生きている者たちの安全や幸福を祈るためのものとのこと。
12月31日の世界平和万灯会ほど蝋燭の数はないものの、その荘厳さは変わりませんでした。
2024年8月20日の大施餓鬼法要は
18:00〜 万灯会
19:00〜 大施餓鬼法要
が行われました。
境内には屋台もでていて、太鼓の演奏やよさこい踊りなどが開催されました。


世界平和万灯会(12月31日開催)
2023年は12月31日の23時頃から世界平和万灯会が行われ、ロウソクが並びました。
世界平和万灯会は、第二次世界大戦や戦後の公害などで命を落とした方々の魂を弔う行事とのことです。
写真でもわかる通り、ロウソクの光でクッキリと「平和」の文字が浮かび上がっていました。

皆様も8月の20日頃、又は大晦日に愛媛県松山市においでの際は、是非石手寺にお伺いして万灯会見物をおすすめいたします。

石手寺を訪れた人の感想
石手寺のまとめ

いかがでしたか。
石手寺は、単に参拝をして終わりというわけではない、不思議な魅力や見どころが多くある寺院です。
四国八十八箇所巡礼の一環で訪れるのも良いですが、特に目的を持たずにお伺いしても飽きることがありません。
ご紹介した数々の奇妙な仏像やお地蔵さんを見て回ったり、七不思議を調べてみたり、裏山に行って四国八十八箇所巡礼を体験してみたりなど、充実した時間を過ごせるでしょう。
また、参道に食事処や名物の「やきもち」があるため腹ごしらえもでき、長時間の滞在に向いたスポットです。
道後温泉からも近いので、是非気軽にご参拝ください。
多数の面白い発見があります。
石手寺(いしてじ)のWebサイト:https://nehan.net/
石手寺についてのWikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/石手寺
衛門三郎についてのWikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/衛門三郎