道後温泉は日本最古の温泉!道後温泉周辺の観光や歴史について!

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「日本の有名な温泉」と聞いて、いの一番に思い浮かべる場所は何処でしょうか?

温泉は今や世界に誇る日本の文化のひとつで、あちこちの温泉や温泉街が賑わっているため、様々な回答が出てくるでしょう。

しかし、今回紹介する愛媛県の道後温泉こそ「日本最古の温泉」として真っ先に記憶に刻むべき所なのです。

約3,000年ともいわれる歴史が詰まった、温泉界の最年長・道後温泉の魅力をピックアップしていきます。是非ご堪能ください。

※記事内容は2024年2月25日時点のものとなります。
値段やキャンペーンなどは閲覧日により変更されている場合があるため、公式サイトをご確認ください。

道後温泉の歴史

道後温泉は、愛媛県の松山市に何と約3,000年も前から湧出する温泉です。

初耳の方は、まずその数字にびっくり仰天することでしょう。

当然、「日本三古湯(にほんさんことう)」のひとつとして各書物に名が挙がっています。

  1. 日本書紀・風土記に基づくもの
    道後温泉・有馬温泉(兵庫県)・白浜温泉(和歌山県)
  2. 延喜式神名帳に基づくもの
    道後温泉・有馬温泉・いわき湯本温泉(福島県)

史書に登場するという意味で、これら4つの温泉は非常に強みがあると言って良いでしょう。

道後温泉は、上のふたつの内どちらの書物にも載っており、何千年も前からあるのが虚偽ではないことが分かります。

古くから残るという点では、道後温泉と同じく2回名の挙がっている有馬温泉が、現時点での最大のライバルと言えるかもしれません。

しかしながら、その有馬温泉でさえも事の起こりが1,400年前とのことですから、歴史の長さではやはり道後温泉の方が圧倒的に勝っているのです。

今から3,000年前と言うと、大体縄文時代の頃のことを指すのですが、実際に縄文時代中期の土器なども付近の山から発掘されているため、その時代から存在していたのは事実と言えるでしょう。

その時から現存する温泉に我々現代人が浸かっていると想像すると、何やら背が震えます。

また、これだけとんでもなく長い歴史を持っていると、教科書上の人物の入浴履歴も多数あり、こちらも興味深いです。

それは、飛鳥時代にまで遡ります。

かの聖徳太子が病気療養のために訪れ、絶賛したというのです。

その後も小林一茶や夏目漱石などの文化人の来湯を受け、確実に重く素晴らしい歴史が形を成してきました。

これだけの歴史上の人物と同じ湯に浸かるとなれば、ちょっと湯に触るだけでたちまち長生きできそうです。

日本史の教科書に載るぎりぎりの時代から存在していたというだけあり、現代の外観を前にしても、思わず神社仏閣のように拝礼したくなるほど、古めかしい威厳があります。

道後温泉の概要

現在、道後温泉は3つの共同湯に分かれています。その他道後の湯に入れる旅館やホテルが立ち並んでいます。

それぞれ外観の特徴や料金、テーマなどが異なっており、思い切り違いを楽しめるでしょう。

1. 道後温泉本館

本館は、道後温泉の象徴です。

日本最古の温泉と言われた時、この本館の姿を思い浮かべてもらえれば良いと思います。

修繕や増築を繰り返しましたが、黒々とした大きな館に「道後温泉」と渋く看板が掲げられている様は、やはり最古参の厳かさがきちんとあります。

※現在は道後温泉本館保存の修理工事中です。(令和6年7月中に全館営業再開の予定)

  • 利用料金……大人460円、子供160円
  • 営業時間……6時~23時(受付は22時30分まで)
  • 利用時間……1時間以内

本館には、霊の湯(たまのゆ)と神の湯(かみのゆ)の2種類があります。

前者は大理石を堂々と使った高級感のある雰囲気を、後者は白鷺の描かれた絵画を堪能でき、それぞれ違った趣を味わえるでしょう。

ここに数多の著名人がやって来て、3,000年以上繋いできたのだとしみじみ感じることができるはずです。

2023年現在、保存修理工事に伴い、神の湯を含めた一部の施設が休止となっていますが、霊の湯は引き続き利用できますし、2024年7月中には全館営業が再開し、また全施設に入れますので、楽しみに待ちましょう。

2. 道後温泉 椿の湯

椿の湯

松山市のシンボルとされる花、「椿」に因んだ温泉で、白い椿のような綺麗な外観が特徴です。

別名「親しみの湯」とも呼ばれるように、多くの人が入りやすいシンプルな雰囲気があります。

  • 利用料金……大人450円、子供150円
  • 営業時間……6時30分〜23時(受付は22時30分まで)
  • 利用時間……1時間以内

内部は広々していて、湯の中でもゆっくり足を伸ばせますし、大きな湯釜もあってつい見入ってしまいます。

湯釜には正岡子規が道後や椿について詠んだ句が刻まれており、ここからも雰囲気を感じ取れるでしょう。

「親しみの湯」の名の通り、基本料金も安いため、気軽に入浴できるのが嬉しいです。

3. 道後温泉別館 飛鳥乃湯泉

飛鳥乃温泉

飛鳥時代に聖徳太子が来湯した歴史に因み、この名が付けられました。

他の2つの温泉と異なるのは、日本神話や聖徳太子の伝説に目を付け、外も中も非常に物語的であるということです。

外観の朱と黒の瓦屋根や、雪洞のような柔らかい灯りは、日本最古の歴史と雰囲気が重なり、再現として完璧です。

内観の意匠も飛鳥時代をイメージしたもので、聖徳太子が入口から中まで着いてきているような感じがします。

また、温泉の内部には万葉集でお馴染みの額田王・山部赤人の和歌が待ち構えていて、椿の湯の湯釜にある子規の俳句とまた違う時代の趣が感じられます。

●1階浴室

  • 利用料金……大人610円、子供300円
  • 営業時間……6時~23時(最終入館は22時30分)
  • 利用時間……90分

●2階大広間

  • 利用料金……大人1,280円、子供630円
  • 営業時間……6時~22時(最終入館は21時)
  • 利用時間……90分

●2階個室

  • 利用料金……大人1,690円、子供830円
  • 営業時間……6時~22時(最終入館は21時)
  • 利用時間……90分

●2階特別浴室(家族風呂)※要予約

  • 利用料金……1組あたり2,040円+大人1,690円、子供830円
  • 営業時間……6時~22時(最終入館は20時40分)
  • 利用時間……90分

雰囲気作りへの拘りや種類の多さも相まって、他の2か所と比較して高額ですが、その分人の出入りが少なく、飛鳥・奈良時代の繊細な雰囲気を壊しません。

肝心の温泉は、湯帳を着用して楽しむこともできるので、大昔の貴族の気分体験ができたり、お茶菓子の用意もあったり、至れり尽くせりです。

かつて病気療養で訪れた聖徳太子も、このような入湯を体験したのかもしれません。

道後温泉周辺

道後温泉は温泉そのものだけではなく、温泉街に広がるお土産店やカフェでの食事も楽しめて、そちらも欠かせません。

湯上り後の一息にもぴったりな場所を、7つ挙げたいと思います。

1. 道後ハイカラ通り(道後商店街)

道後ハイカラ通り

道後温泉に来た際にまずセットで考えたいのが、「道後ハイカラ通り」です。

道後温泉本館から徒歩で僅かなため、浴衣や草履のままでも充分来やすいでしょう。

温泉界隈らしく、レトロで親しみやすい感じにワクワクさせられます。

また、ここは茶店や土産物が大集合しており、愛媛県のご当地グルメの堪能や特産品の買い物は大体済ませられてしまうため、重要なスポットです。

愛媛県と言えばのみかんスイーツやじゃこカツを食べ歩くも良し、今治タオルやご当地Tシャツなどのお土産を購入するも良し、茶寮で名物・坊っちゃん団子やタルトに癒されるも良しで、何でもここで体験できます。

2.湯神社

湯神社

道後温泉本館の横、冠山の上に小さく安置された神社です。

果てしなく長い歴史を誇る道後温泉ですが、地震によって温泉の湧出が止まってしまった時期もありました。

しかし、祈祷によって再び湯が湧き出したことから、この地では「湯の神様」を大切に崇め、今でも毎年例祭を行っているのです。

この神社からは、道後の街を見下ろせます。

湯の神様は常にこの目線で、道後温泉の継続や街の移り変わりを見守っているのかもしれません。

3.道後温泉駅

道後温泉駅

道後温泉の最寄駅です。

単なる駅ではなく、ここでも充分観光できるほど楽しみが詰まっています。

まずは、駅舎そのものです。

小さいお城みたいな外観は、明治時代の建築美のような味わい深さがあり、何枚も写真を撮りたくなってしまいます。

また、夏目漱石の「坊っちゃん」に由来した「坊っちゃんカラクリ時計」「坊っちゃん列車」も欠かさず体験したいです。

時計は、午前8時から午後10時までの間、1時間おきに「坊っちゃん」のキャラクターたちが音楽と共に飛び出し、可愛いショートショーを見せてくれます。

列車は黒塗りの汽車で、観光用として市内を走り続けています。

絵本でよく見るおもちゃの汽車そのもので本当にロマンティックなので、是非乗ってみたいものです。

4.伊佐爾波神社

伊佐爾波神社
伊佐爾波神社階段

道後温泉駅から徒歩で5分ほどの、重要文化財に指定される神社です。

創建の詳細が不明ではあるものの、延喜年間の資料にも記載があることから、1,000年以上は経っているとされています。

眩しい朱色に圧倒される大きな社殿は見応えがあり、初宮や安産の祈祷・結婚式に至るまで幅広く行われています。

また、愛媛県の重要な祭事・松山秋祭りの際にも、ここ伊佐爾波神社から宮出しがされるなど、松山市の住民との結束が強く、重要拠点として大事にされ続けている場所です。

5.松山市立 子規記念博物館

松山市立 子規記念博物館

正岡子規は愛媛県松山市で生まれ育ちました。

子規は日本古来からの俳句や短歌に新風を入れ、その中興の祖となった俳人として有名です。

皆様も、歴史の教科書に載っている正岡子規の横顔はご存じではないでしょうか?

有名な俳句「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は、正岡子規が京都の旅の途中で詠んだものです。

そんな正岡子規の歴史や俳句、その人生や生活について詳細まで触れることができる博物館です。

愛媛県松山市は子規の偉業により、今でも「俳都松山」と呼ばれ、街には俳句ポストが点在し、夏には高校生の「俳句甲子園」が開催されるほど俳句が親しまれている街になっています。

正岡子規にご興味がある方も、俳句が好きな方も、是非訪れることをお勧めする博物館です。
展示も大変充実しています。

子規記念博物館サイトURL:https://shiki-museum.com/

6.坊っちゃん列車

坊っちゃん電車

坊っちゃん列車は、夏目漱石著の「坊っちゃん」の登場人物が乗った列車をモチーフに作られました。

道後温泉駅前から松山市内を走り、観光列車として立派に機能しています。

黒塗りで小さく、おもちゃのように可愛い汽車です。

小さなお子さんは勿論、大人でも童心に帰って是非体験したい乗り物でしょう。

(運休中でしたが、2024年3月20日(水・祝)から運行を再開いたします。

7.坊っちゃんカラクリ時計

坊っちゃんカラクリ時計

道後温泉駅前の放生園には、坊っちゃんカラクリ時計という立派な時計が飾られています。

30分~1時間おきに、音楽と共に「坊っちゃん」のキャラクターたちが飛び出すメルヘンな演出を見られます。

近くには、道後温泉の源泉を使った足湯も設置されているため、足湯に癒されながら可愛い時計を観賞したいものです。

道後温泉の魅力と道後温泉界隈の観光についてのまとめ

以上、道後温泉とその界隈について軽く紹介しました。

しかし、これらの魅力については、まだまだほんの一部分に過ぎません。

高い価値と充実した時間が、道後温泉にはあります。

旅行の際に重視したいこととして、その土地の歴史ある建造物や温泉の体験・ご当地の食事・特産品の買い物などが挙げられますが、道後温泉とその周辺には、それら全てが一堂に会しているため、まずはここに来れば、愛媛県の良い所を一通りさらえると言って良いでしょう。

計り知れないほどの時が刻まれた湯に浸かって、聖徳太子や夏目漱石の追体験に集中したり、道後ハイカラ通りの美味しい食事で湯上りの体を整えたり、道後地区ゆかりの神社まで足を伸ばしたり、坊っちゃん列車に揺られたり、この界隈だけでやりたいことを1から100まで挙げられそうです。

これより先は是非、実際に道後温泉駅に訪れて体感し、自身の感想を見つけてください!

道後温泉についてのwebサイト(1):https://dogo.jp/

道後温泉についてのwebサイト(2):https://www.iyokannet.jp/feature/dougo/dougo

道後温泉のwikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/道後温泉