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プレスリリース

第47回放送文化基金賞番組部門で「感染-正義とは何か-」がラジオ番組奨励賞植田竜一ディレクターが企画・制作賞を受賞!

南海放送が昨年制作・放送したラジオドキュメンタリー番組『感染-正義とは何か-』が、「第47回放送文化基金賞」番組部門奨励賞を、また個人賞として同番組を制作した植田竜一ディレクターが企画・制作賞を受賞しました。

この番組は新型コロナをめぐる差別をテーマにしたもので、昨年5月30日に南海放送ラジオで放送されました。番組では、県内感染者や誹謗中傷を受けた人達を取材したほか、四国遍路やハンセン病患者の歴史も取り上げ、差別と感染症のつながりを深く掘り下げています。

審査員からは番組部門奨励賞の受賞理由について「当事者たちによる声のリアリティとかけめぐるデマの伝染、悪気はないのだという無垢ゆえの罪深さ。その分析は、お遍路の伝統にまでさかのぼり、民俗的な日本人の習性まで掘り下げて、聴きごたえがあった。」との評価を、また企画・制作賞受賞について「コロナ禍の中、"正義"という名のもとに拡散する誹謗中傷や差別、偏見という人の心の闇に焦点を当て、お遍路やハンセン病の歴史にも遡って問題を掘り下げた。」と高い評価を受けました。

「放送文化基金賞」は、過去1年間(2020年4月~2021年3月)の放送の中から選ばれた、優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られる賞で、今回が47回目です。南海放送の受賞は7回目となります。

【受賞番組名】「感染-正義とは何か-」
【放送日時】2020年5月30日(土) 14時00分~14時44分
【スタッフ】企画・統括       山内 孝雄(メディア編成局)
      ディレクター・取材   植田 竜一(メディアセンター)
      取材          中武 正和(報道部)
      ナレーション      永野 彰子(メディアセンター)

【番組概要】
2020年3月2日、愛媛県内にある人口およそ2万人の愛南町で、県内初となる新型コロナウイルスの感染者が確認される。県最南端で発生した感染を境に県内の雰囲気は一変した。「感染者は誹謗中傷に耐えられなくなって自殺したらしい」という噂が飛び交い、感染者が半日も経たたないうちに特定された。感染も県内で一気に広がり始め、精神科病院や高齢者施設ではクラスターが発生。「こんな施設閉めてしまえ」、「人殺し!」...。ウイルスの感染スピードを遥かに超える早さで、誹謗中傷などの人権侵害が拡散していく。新型コロナウイルスの本当の恐怖は、ウイルス自体ではなく、私達人間が人間でなくなることなのではないのか―。人権侵害は、ひとりひとりの「正義」に基づいて広がる。なぜ、本来は人を守るはずの「正義」が、人を攻撃しているのか。新型コロナウイルスから人の「正義」とは何かを問うドキュメント。

【制作者 植田竜一コメント】
取材に応じていただいた方やお聞きいただいた方に心から感謝申し上げます。大変名誉な賞をいただきましたが、番組としてはコンテストで入賞することよりも聞いていただいた方に何か伝えられたらということを目標に制作したことを覚えております。
マスクがずれている人がいる。ちょっとせき込んでいる人がいる。このような人を見かけたら怪訝深く凝視してしまう。この一年で人が人を簡単に疑う世の中になってしまったと、私自身の言動を省みても実感しています。まだまだ、終息の気配は見えませんが、この番組が新型コロナをめぐる人権侵害への警鐘をならせるのであれば何よりも幸いです。