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番組審議会

番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。


第713回 番組審議会

第713回番組審議会が、3月15日(金)、本社8階役員会議室で開かれました。
7名の委員より、テレビ、ラジオそれぞれの合評番組について審議が行われ、テレビ番組では南海放送が制作した愛顔感動ものがたり10周年記念番組「ありがとうのあとさき~8万6000の感動ストーリー」について、委員から次のような意見が出されました。

テレビ番組
愛顔感動ものがたり10周年記念番組「ありがとうのあとさき~8万6000の感動ストーリー」

放送日時:2024年2月4日(日)15:00~16:00(南海放送制作)

番組概略

全国(一部海外)から寄せられた感動のエピソードを顕彰・朗読する愛媛県主催のイベント「愛顔感動ものがたり」が、今年度10周年を迎えるにあたり制作した特別番組です。

番組は、「愛顔感動ものがたり」の審査委員を務める、俳優・イッセー尾形さん、愛媛出身の俳人・神野紗希さん、愛媛県の中村時広知事の3人が、イベントの"10年"を語り合う座談会を縦軸に展開します。座談会で話題となった印象深い作品を朗読で振り返るとともに、全国各地での後追い取材を通して、作品の背景や作者が800字に込めた思いにも迫りました。

21歳の息子を突然の病で亡くした母が、愛媛で"愛顔"を取り戻したエピソード。ラジオパーソナリティが救った中学生の命と、23年後の思いもよらぬ愛媛での"再会"。最優秀賞を受賞した中学生の写真、2年後に明らかになった被写体の老夫婦の笑顔の背景。どのエピソードも「愛顔感動ものがたり」の存在が導いた"奇跡"でした。

各委員の意見
  • この企画を始めるきっかけになったのが、東日本大震災後に修学旅行で愛媛を訪れる学生さんたちに何かできないかという中村知事の思いからだったこと、そして新井満さんに相談した結果、この企画が始まった事を初めて知った。
  • 県も今後は毎年最優秀作をピックアップしてドラマ化などできれば、松山だけでなく愛媛県としても言葉をとても大切にしていることが伝わっていくのではないかと感じて、すごく良い番組だったと思った。
  • 今回は10周年ということでこの番組が作られましたが、5年に1回ぐらい、いや毎年こんな番組があってもいいのではないかと思えるほどの番組構成で感動を映像化したり取材して、こちらが見たい聞きたいと思える番組作りをこれからもお願いしたい。
  • 審査内容は明かせないと思うが、今回のように座談会形式で語ってもらうのであれば、事業の目的や経緯、効果などを知事や神野さん、尾形さんに聞いても良かったのではないか。その分コンパクトにまとめて、過去の入選作品をもっと取り上げてほしかった。過去の入選作品紹介は非常にドラマチックで、本当に胸を打つ作りだった。
  • こうした感動ものの番組作りにおいては、過剰に演出したり、余計なものを差し込んだりすることがたまにあるが、今回の番組ではそういうことはあまりせず、まっすぐにそのものを見つめ、そのまま視聴者に向けて発信するという姿勢が良かった。
  • 「言葉を大切にしている、愛媛県ならではのイベント」という、朗読皆勤賞の紺野美沙子さんのコメントや、「海辺の生活」の表彰式での新井さんと受賞者の西岡奈緒子さんとの対面を、「ドラマのクライマックスのシーンを間近で見るようだ」と表現した中村知事のコメントがとても良かった。全体を通して、佐伯アナウンサーのナレーションにより、番組の質感が高まっていたと思う。
  • エピソードの紹介に再現映像を重ねて構成していた部分がストレート過ぎるかなとも思ったが、まだこのイベントを知らない人にとってはイメージしやすく、「他人のストーリーで感動などするか」と思っている過去の私のような人には最適なプレゼンテーションだったと思う。

続いてラジオ番組では、南海放送制作の「24㎞を飛び越えろ!秋田・愛媛つながれスペシャル」の合評を行いました。委員の主な意見と感想は次のとおりです。

ラジオ番組
24㎞を飛び越えろ!秋田・愛媛つながれスペシャル

放送日時:2024年1月16日(火)19:00~19:30
南海放送・秋田放送同時生放送・YouTube同時配信
(秋田放送・南海放送共同制作)

番組概略

距離にしておよそ900㎞以上、直通便もない秋田県と愛媛県。これまで縁遠かった2県の関係性が、2023年10月「アレ」をきっかけに大きな話題となりました。

この番組はこれを機にもっと近づきたいという想いから、ABS秋田放送・RNB南海放送の両局が初めてタッグを組み、「食」を中心によりお互いの良いところを深掘りする番組です。

<コーナー企画>
・キャッチコピーでお互いを知ろう!
リスナーから事前に県のキャッチコピーを募集。番組内でリスナー投票でNo.1を決定し、プレゼントを進呈。投票には両局アプリを活用。
・愛媛・秋田=良きとこプレゼンタイム
両県の良いところを、相手の県のリスナーにPR。テーマは「食」と「観光」。それぞれスタジオでの試食も実施。

各委員の意見
  • 愛媛県が、けなされたことを逆手にとり、非常に敏感に反応されてこういう番組を作ったのは良かった。秋田県知事の発言を受け流した愛媛県知事もさることながら、さっと流れに乗ったこの番組も抜け目がなかったなと思う。これでじゃこ天が全国的に知れ渡り、後に続くものを作っていくのも重要で、この番組がまさに縁結びになればいいと思う。
  • YouTube配信を見ていない愛媛のリスナーは、ハタハタ寿司がどのようなものかイメージが湧かなかったと思う。愛媛と秋田のアナ同士がワイワイガヤガヤしている内容もいいけど、もう少し洗練というか、整えたものにしてほしかった。愛媛と秋田の両県民に地元の魅力を語ってもらうのもいいのではないか。
  • 両県のアナウンサーの第一声が食べた感想が、愛媛の「思っていたよりおいしい」という言葉も、秋田の「想像より十倍甘い」という感想も、褒めたのかどうなのかがよくわからなかったが、そんな何とも言えない率直な感想を番組内で言い合っていたのがとてもおもしろかった。
  • 出演したアナウンサーそれぞれの力量が問われた番組構成で。台本があったとはいえ、愛媛と秋田の距離感をどう詰めるかは難しかっただろうと勝手に感じたラジオ番組だった。
  • 時折よくわからないことを杉作J太郎さんが言って、流れがやや悪くなるところもあったが、途中からは4人が同じスタジオにいてしゃべっているかのような雰囲気で、テンポよく展開され、秋田と愛媛の人だけでなく、どこの人が聴いてもおもしろいラジオ番組になっていたと思う。
  • それぞれのご当地食を食べ、観光名所を紹介するだけでも十分満足できる内容だと思うが、酸味のあるハタハタ寿司と甘い鍋焼きうどん、温泉と眺望という対比もそれぞれの特長が際立っており、数ある名物や名所の候補の中からこれらに絞った担当者のセンスがとても良かった。
  • キャッチコピーがすごく良く、「北行こう、秋田行こう」「いよかん、みかん、幸福感」と、いずれも素晴らしい。どこかで使そうだなと思う。どういう側面から見ていくかが、評価の大きな分かれ目になると思いますが、とにかく難しいテーマで、きっかけは何であれ、愛媛と秋田がお互いの交流を深めた番組にはなったと評価したい。

以上
(番組審議会事務局)

番組審議会委員名簿

稲葉隆一(委員長) 大一ガス(株) 代表取締役会長
村田毅之(副委員長 松山大学 法学部教授
山田ひろみ 陶芸家
徳田明仁 愛媛大学 ミュージアム准教授兼広報室副室長
近藤路子 (株)フードスタイル 代表取締役
宇佐美まこと 作家
長井基裕 愛媛新聞社取締役執行役員編集局長