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プレスリリース

第75回文化庁芸術祭ラジオ部門で「感染-正義とは何か-」が大賞を受賞!

南海放送が制作したラジオドキュメンタリー「感染-正義とは何か-」が、第75回文化庁芸術祭ラジオ部門で大賞を受賞しました。

この番組は新型コロナをめぐる差別をテーマにしたもので、5月30日に南海放送ラジオで放送されました。番組では、県内感染者や誹謗中傷を受けた人らを取材したほか、四国遍路やハンセン病患者の歴史も取り上げ、差別と感染症のつながりを深く掘り下げています。

受賞理由については、「新型コロナウイルス感染拡大で、感染への恐怖から根拠のない誹謗中傷や差別も拡大していった。感染者への困難な取材を通して、正義の名の下で差別の酷さを見事に描き出した。四国『お遍路』と感染症の関わりを歴史的にたどることで、現在の横軸と歴史の縦軸を交差させる画期的なラジオ番組を制作した。」と高い評価を受けました。

文化庁芸術祭は、広く一般に優れた芸術鑑賞の機会を提供するとともに、芸術の創造とその発展を図るほか、我が国芸術文化の振興に資することを目的として、昭和21年以来毎年秋に開催される芸術の祭典です。

南海放送ラジオでは受賞を記念して、12月30日(水)18時から再放送します。

なお「感染-正義とは何か-」は、2020年日本民間放送連盟賞番組部門ラジオ報道番組で「最優秀」を受賞しています。

【受賞番組名】「感染-正義とは何か-」
【放送日時】2020年5月30日(土) 14時00分~14時44分
【スタッフ】企画・統括       山内 孝雄(メディア編成局)
      ディレクター・取材   植田 竜一(メディアセンター)
      取材          中武 正和(報道部)
      ナレーション      永野 彰子(メディアセンター)

【番組概要】
今年3月2日、愛媛県最南端にある人口およそ2万人の愛南町で、県内初となる新型コロナウイルスの感染者が確認される。この日を境に県内の雰囲気は一変した。「感染者は誹謗中傷に耐えられなくなって自殺したらしい」という噂が飛び交い、感染者が半日も経たたないうちに特定された。感染も県内で一気に広がり始め、精神科病院や高齢者施設ではクラスターが発生。「こんな施設閉めてしまえ」、「人殺し!」...。ウイルスの感染スピードを遥かに超える早さで、誹謗中傷などの人権侵害が拡散していく。新型コロナウイルスの本当の恐怖は、ウイルス自体ではなく、私達人間が人間でなくなることなのではないのか―。人権侵害は、ひとりひとりの「正義」に基づいて広がる。なぜ、本来は人を守るはずの「正義」が、人を攻撃しているのか。新型コロナウイルスから人の「正義」とは何かを問うドキュメント。

【制作者コメント】
「身に余る賞を頂き誠にありがとうございます。大変な中取材にお応えいただいた方、番組をお聴きいただいた方に感謝申し上げます。新規の感染者が発表されるたびに『なんで勤務先を公表しないんだ』『なんで情報を隠すんだ』という声が未だに聞こえてきます。自分が感染した際に堂々と公表できるでしょうか。SNSがあってもなくても誹謗中傷や差別の歴史は繰り返されています。番組を通して少しでも"自分ごと"としてとらえ直していただけると何よりの幸いです」

植田竜一