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番組審議会

番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。


第729回 番組審議会

第729回番組審議会が、7月24日(木)本社8階役員会議室で開かれました。
7名の委員より、テレビ、ラジオそれぞれの合評番組について審議が行われ、テレビ番組では南海放送が制作した「タコガール!!~私のなかのもなか~」について、委員から次のような意見が出されました。

テレビ番組
「タコガール!!~私のなかのもなか~」

放送日時:2025年5月24日(土)10:30~11:25(南海放送制作)

番組概略

愛媛県大洲市長浜。1935年(昭和10年)、四国初の町営長浜水族館が建てられ、多くの人たちで賑わっていた。しかしその水族館は1986年に閉館。町の活気も失われていった。そこで人々は1999年、自宅や店に水槽を設置し、町全体を水族館に見立てた「長浜まちなみ水族館」をスタート。この時、長浜高校の中にも水槽が設置されたのだ。それを「長高水族館」として、全国で唯一の「水族館部」が運営。現在も、毎月第3土曜日に無料で一般公開し、遠くからも多くのお客さんが訪れる。

2022年、水族館部に、タコを愛してやまない石丸夏実さんが入部。入部してすぐに"タコ水槽"を立ち上げ、大好きなタコとの高校生活が始まる。一方、去年25周年を迎えた「長高水族館」は、設備の老朽化により、校内で運営を続けることが困難に。昔の長浜水族館があった場所に移転・リニューアルすることとなる。移転までの取り組みや新水族館への大引っ越し、研究活動などを通して、"好き"を貫きタコと歩む石丸さんの青春を描く。

全国唯一の水族館部がある愛媛県立長浜高校。学校の中に設置された水槽には、150種類・2000匹の魚たちが。タコの研究をしようと入部した"なっつん"こと石丸夏実さんは、オスのマダコ「もなか」が大好き。大切に世話をし、呼べば応えてくれる関係に。そんな中、設備の老朽化のため、水族館の引っ越しが始まる。新しい水槽に移ったもなかだが、思いもよらぬ事件が...。その時、なっつんが取った行動とは。奥深いタコの生態に心を掴まれたなっつんとタコ、3年間の物語。

各委員の意見
  • 取材班は長年、長浜高校水族館部を追いかけていた。今回はタコガールである石丸さんへ焦点に当てた構成だったので、飼育していたタコが死んだ際の石丸さんの心情をもっと引き出して欲しかった。
  • 飼育していたタコが死んだあと、それをタコ飯にて食べていたシーンに愕然としたが、その後のシーンで、食べることが「自分の体の一部になって欲しい」との思いがあり、食べる事が一番の供養になる事が判明。石丸さんのデリケートな気持ちが丁寧に映像化されていたことに感動した。
  • 飼育していたタコが死んだことを知った石丸さんが「えっ」を9回連発した場面は石丸さんが気持ちのバランス崩してゆく様子が強く印象に残った。
  • なっつんが 17歳にして何かを探求したり、その対象を愛したり慈しんだりするという本質を有しているところは本当に素晴らしい。この学校での3年間は生徒達の人生を支える大きな力になることを伝える、良い番組だった。水族館応援の為、町をあげて長高水族館を応援している様子などを番組で丁寧に紹介していたのも良かった。こんな町やこんな高校生が運営する水族館は、全国的にも珍しいだろうなと思った。
  • 石丸さんは今時の女の子っぽさがなく、取り乱したりもせずに冷静なのはどうしてだろう、あれだけ好きだったもなかが死んで、この態度はどうしたのかなと。最後まで見てようやく、まさに研究者の目だったのかと理解したが、やはりあの場面については、ご本人から説明の一言があっても良かったなと思った。
  • 長く続いた校内水族館の最後の開催日に、終盤で人が少しずつ少なくなっていく定点映像がとても良かった。またタコが死んだ件については、番組タイトルが「タコガール」で、視聴者はみんなどうして死んだのかと思ったはずなので、やはりその点は軽くでも良いので触れ方が良かったのではないか。

続いてラジオ番組は、南海放送が制作したザ・江刺ショー「ケッセキオジサン 生理を学ぶ」の合評を行いました。委員の主な意見と感想は次のとおりです。

ラジオ番組
ザ・江刺ショー「ケッセキオジサン 生理を学ぶ」

放送日時:2025年5月28日(水)13:00~15:30(南海放送制作)

番組概略

祝日を中心に不定期に放送するイレギュラーなレギュラー生ワイド『ザ・江刺ショー』。江刺伯洋アナウンサーと、『NEWS CH4』の元MC、現在は報道部キャップの清家夕貴という異色タッグがパーソナリティーを務める番組です。

第3次生理ムーブメント(生理ブーム)と言われる今、メディアで生理を取り上げることも珍しくなくなり、若いカップルたちはお付き合いするときに生理について話をするのは当たり前。そんな流れに取り残されているのは、生理を話題にすることはタブーだと育ってきたおじさんたちではないでしょうか。国は「女性特有の健康課題による社会全体の経済損失は約3.4兆円と推計」という報告を出し、管理職であるおじさんたちも避けられる問題ではなくなりました。

江刺アナウンサーには「生理」に苦い思いがあります。2年前、「男だけで生理を語る」というラジオ企画を放送。斬新な切り口に思えましたが、「気持ちが悪い」と酷評されました。アナウンス室の管理職でもある江刺を最近悩ますもの、それは「尿路結石」。いつ激痛に襲われるかとビクビクする日々。ただ、これは生理痛に悩む女性たちと通じるものがあるのではないか?今だったら、女性の悩みに真摯に向き合うことが出来るのではないだろうか?題して「ケッセキオジサン 生理を学ぶ」。

今回は出演者はもちろん、ディレクターも含め、江刺以外は女性のみで構成。多彩なゲストから「生理」にまつわる意見を聞き、番組終盤では架空会社「江刺商事」の生理対策を発表。番組リスナーからリアルタイムでその是非を問いました。

各委員の意見
  • いろいろな切り口からとらえていた点には好感を持てた。生理痛の疑似体験、痛み以外の悩み、アスリートの事例、年配の男性の受け止め方、実際の企業の参考になるであろう架空会社の対策、行政の対応というパートで構成して、長時間でありながらも関心を持ち続けることが出来た。
  • 男だけで生理を語った前回よりは数段良かった。前回は「気持ちが悪い」という意見もあったが、これは男性のみで生理を語ったからではなく、男性の側から女性の生理を語るという番組の特徴が活かされてなかったからだと感じた。今回は清家アナが加わったことで入口が広がり、出演メンバーに四国フェムテック協会の田村恵美さんとアスリートの土佐礼子さんがいたことで、あらゆる分野の意見が聞けて、バランスの良い番組になっていたと思う。
  • 今回の構成は本当に真剣によく考えられていると感じた。全編通して嫌なところがひとつもなく、楽しく聴くことができた。唯一モヤっとしたのは、江刺アナの「自分は尿路結石の痛みを知っているから、生理痛にも共感できるだろう」と設定して番組がスタートした点。それも生理痛の疑似体験をしたあたりで「完全に見込み違いだった」と反省する展開となり、ますます気持ちがスッキリした。
  • 今回も、よくぞやってくれたと思った。放送というものは、それを受信した人間の何かを動かすことができたら勝ちだと思っている。私の場合は、この放送を聴いて家族コミュニケーションができた。
  • 「ケッセキオジサン 生理を学ぶ」というタイトルがおもしろすぎて、思わず聴きたくなった。江刺アナのおもしろトークを挟みながらも、生理に対して冷やかしでなく真摯な態度で臨んでいて、すごく好感度が上がった。「普段の生活の中ではこの話はしづらいけど、番組だからできる」と江刺アナ自身が語っていたが、他ではなかなか取り扱わない内容で、すごく良い挑戦だったと思う。
  • 生理痛を疑似体験させる装置があるとは非常に驚いた。まさに実体験して初めて理解されるものなので、このような装置の存在は世の中の進歩、進化を感じる。職場に限らず、学校、家庭内、友人など人間関係において、生理に関する知識は定期的に発信すべきテーマであり、より幅広く一般に周知させる必要があるということを改めて認識させてくれる、素晴らしい番組だった。

以上
(番組審議会事務局)

番組審議会委員名簿

稲葉隆一(委員長) 大一ガス(株) 代表取締役会長
村田毅之(副委員長 松山大学 法学部教授
山田ひろみ 陶芸家
徳田明仁 愛媛大学 ミュージアム准教授兼広報室副室長
近藤路子 (株)フードスタイル 代表取締役
宇佐美まこと 作家
長井基裕 愛媛新聞社常務取締役常務執行役員