南海放送のロゴマーク

晴れ

14/1 10%

愛媛の情報&番組をカテゴライズ

番組審議会

番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。


第735回 番組審議会

第735回番組審議会が、2月19日(木)本社8階役員会議室で開かれました。
7名の委員より、テレビ・ラジオ、それぞれの優良番組について推薦を頂き、テレビ番組では南海放送制作の「戦後80年報道特番 少年志願兵 ―誰が背中を押したのか―」、ラジオ番組では南海放送制作のラジオドラマ「十円易者・村上桂山~二百万人を占った男~」が2025年優良番組に選定されました。

2025年テレビ優良番組
「戦後80年報道特番 少年志願兵 ―誰が背中を押したのか―」

放送日時:2025年5月17日(土)10:30~11:25(南海放送制作)

番組概略

太平洋戦争末期、兵力不足に悩む海軍は、徴兵年齢に達しない20歳未満の少年たちを年間20万人以上戦地へ送り出していました。従来の戦争報道や研究は戦場の悲惨さや徴兵の理不尽さが中心でしたが、本番組は国家に「あて」にされ、戦争を下支えした「少年志願兵」の実態に着目します。

テーマは、彼らが「なぜ志願したのか」という意思決定の真実です。かつての少年たちは、長年「自らの意志で選んだ道」だと信じてきました。しかし戦後80年を迎え、最新の研究や証言から「実は何かに背中を押されて選ばされていたのではないか」という新たな仮説が浮かび上がります。

彼らの背中を押し、逃れられない状況へと追い込んだ正体は、国家、地域社会(村)、メディア、そして家族や友人といった周囲の存在が生み出した異様な「空気感」と、少年たちの心に浸透した軍国主義でした。本番組は、自ら選んだと思い込まされていた事実の恐ろしさを暴き、14歳などの子供までもが戦争へと駆り立てられた社会の弱さと怖さを、当事者の証言と膨大な資料を通して後世に伝える貴重な記録となっています。

各委員の意見
  • 『WHY? ニッポンハネムーン』において外国人の視点から愛媛を再発見するテーマが観光振興に寄与する点や、『少年志願兵』が重いテーマながら実態に迫る興味深い内容であったことを評価したことで、外国人の視点を通じた地域の魅力再発見と歴史的実態への迫力を高く評価する。
  • 『タコガール !!』の主人公が持つスター性をありのままに紹介した点や、『WHY? ニッポンハネムーン』が番組の意図を超えて若いディレクターの奮闘記として面白かった点を支持したことで、取材対象の魅力や制作者の熱量を素直に伝えるドキュメンタリーの力を重視する。
  • 『タコガール !!』が多面的な視点で「命をつなぐ」意味を紡ぎ出した構成や、『少年志願兵』が丹念な取材で当時の異様な空気感を浮かび上がらせた記録性を高く評価し、今後は女性の視点での戦争報道も期待すると提案したことで、多面的な構成力と歴史を後世に引き継ぐ記録としての価値を重んじる。

2025年ラジオ優良番組
ラジオドラマ「十円易者・村上桂山~二百万人を占った男~」

放送日時:2025年5月31日(土)12:00~13:00(南海放送制作)

番組概略

村上桂山は昭和14年から昭和51年まで38年間、愛媛県松山市の繁華街で手相占いをしていた実在の人物です。明治38年、山口県佐賀村の貧しい農家に生まれた桂山は15歳で故郷を離れ、禅寺で修行を重ね、戦前に松山に来て街頭易を始めました。箱車と名付けた屋根付きの荷車を引いて町へ出かけ、その箱車に座って客を待つのが桂山のスタイル。その見料は、たったの十円。いつしか彼は『十円易者』と呼ばれるようになりました。毎日数百人が桂山の前に列をつくり、その数は延べ人数200万人以上にのぼると試算されます。

桂山は悩みを持って訪れる人たちに、俳句でも川柳でもない"独特な文句"を紙片に書いて渡しました。「秋深し 隣は隣 うちはうち」「きょろつくな 道はひとすじ 墓の穴」「死なざれば 生まれたことが ウソになる」。

昭和51年、仕事場の箱車の中で心不全で倒れ、71歳で没した桂山。それからしばらくして、松山市三番町の歩道、最晩年の桂山が毎日座っていた場所に、忽然と「桂山地蔵」が現れました。彼を慕い、その人柄を愛した人たちの手によるものだと言われおり、今も同じ場所に立ち続けています。

そんな桂山が、同じ山口県出身で松山で生涯を閉じた"放浪の俳人"、種田山頭火と出会ったとしたら・・・。史実とフィクションを織り交ぜて村上桂山の生涯をラジオドラマで再現。

各委員の意見
  • 『村上桂山』で種田山頭火との対話を登場させて人物の魅力を浮き彫りにした手法や、『DAIKON-MAN』で地域の偉人の生涯を4つの時期に分けて丁寧に構成した分かりやすさを支持したことで、人物の魅力を引き出す工夫と地域に発信する制作意図の着実な実現を評価する。
  • 『村上桂山』における平和へのメッセージや山頭火を対話相手に据えた匠な仕掛けを評価しつつ、『DAIKON-MAN』では人間関係の複雑さというスパイスをさらに期待すると提案したことで、高い熱量を持った物語の再現性とテーマを練り上げた展開の興味深さを重視する。
  • 『村上桂山』が昭和の空気をラジオから流し込むようなドラマ仕立てであった点や、『瀬戸内水軍殺人事件』が公開生ドラマという新しい形態で観客の興奮を伝えたエンターテインメント性を支持したことで、ドラマ形式による時代の空気感の再現と新しい公開生放送の形態が持つ魅力は賞賛に値する。
  • 『瀬戸内水軍殺人事件』の全体の熱量の高さと完成されたエンターテインメント性を評価し、『DAIKON-MAN』が郷土の偉人の功績を広く知らしめる大きな意義を果たしたことを支持したことで、エンターテインメントとしての完成度の高さと郷土の偉人を顕彰するラジオドラマの意義は素晴らしい。
  • 『ケッセキオジサン生理を学ぶ』がおじさんが生理を語るという非日常的な企画を不快感なく楽しませる配慮で実現した点や、『村上桂山』が占いで人を前向きにする希望を描いた点を支持したことで、誰も思いつかない斬新な企画への挑戦と不愉快にさせない配慮ある放送内容を高く評価する。
  • 『ケッセキオジサン生理を学ぶ』が家族との深いコミュニケーションを促し自身を救ってくれた社会的な実益や、『村上桂山』の脚本が県民のアイデンティティーを再認識させる戦略的高さを評価したことで、リスナーの行動を変容させ生命の本質的課題に挑む社会的な意義と高い番組品質を支持する。
  • 『瀬戸内水軍殺人事件』のような公開生ドラマという新しいチャレンジがメディアとして注目されるべき試みである点や、『村上桂山』が路傍の占い師の人生を丁寧に紹介した企画の良さを支持したことで、既存の枠を超えた新しいメディア表現への挑戦と人物の生き様を描く企画力を高く評価する。

以上
(番組審議会事務局)

番組審議会委員名簿

稲葉隆一(委員長) 大一ガス(株) 代表取締役会長
村田毅之(副委員長 松山大学 法学部教授
山田ひろみ 陶芸家
徳田明仁 愛媛大学 ミュージアム准教授兼広報室副室長
近藤路子 (株)フードスタイル 代表取締役
宇佐美まこと 作家
長井基裕 愛媛新聞社常務取締役常務執行役員