南海放送のロゴマーク

晴れ時々雨

26/14 60%

愛媛の情報&番組をカテゴライズ

番組審議会

番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。


第725回 番組審議会

第725回番組審議会が、3月14日(金)本社8階役員会議室で開かれました。
7名の委員より、テレビ、ラジオそれぞれの合評番組について審議が行われ、テレビ番組では南海放送が制作したNTV共創企画「WHY?ニッポンハネムーン」について、委員から次のような意見が出されました。

テレビ番組
NTV共創企画「WHY?ニッポンハネムーン」

放送日時:2025年2月21日(金)19:00~19:54(南海放送制作)

番組概略

日本テレビと地方局がタッグを組んで番組を制作する「共創プロジェクト」に南海放送として初めてエントリーし、南海放送・楠目ディレクターの企画が採択された。本プロジェクトは日本テレビの名演出家が監修し、ローカル局の制作力向上を図るとともに、ネット局との新たな架け橋を創造する。

番組の舞台は、「訪日外国人の都道府県認知度ランキング」で最下位の愛媛県。そんな愛媛にもしハネムーンできてくれる外国人カップルがいるなら全力でおもてなしをしたい!と、愛媛県出身・南海放送の楠目厚人ディレクター(31)が企画し、ディレクターが奇跡の出会いを求めて大捜索するドキュメントバラエティー!果たして人生に一度のハネムーンに愛媛県を選んでくれる外国人はいるのか!?

そして、その様子をスタジオで見守るのはMCヒロミと、まだハネムーンに行けていないという池田美優、そしてモグライダー 愛媛出身の芝大輔とともしげの4人。地元ディレクターならではの目線で案内する愛媛の観光名所やグルメ、絶景にスタジオも盛り上がる!果たして愛媛で外国人ハネムーンカップルは見つかるのか?番組ラストは感動のお別れ。楠目ディレクターと外国人カップルとの絆もみどころ。

各委員の意見
  • ハネムーンで来ている外国人が捕まえられなくて、苦労の連続だったが最後はしまなみ海道でサイクリング中の英国人カップルに巡り合い、広島まで同行できる展開になったのは番組の流れとしても良かった。「若いディレクターによる番組制作奮闘のドキュメンタリー番組」と言ってもいいような面白い内容だった。
  • ハネムーン企画で愛媛県のプロモ―ションができたことは素晴らしい。広島まで行くというドキュメンタリーとしても良かった。こういう企画番組はどんどん作っていただき、制作現場から生まれた新たな才能を活かした企画としても非常に魅力的な番組になっていたと感じた。
  • 日本テレビの演出家の手腕もあり、地方のディレクターの初挑戦としても番組として収まっていたと感心した。最後は素敵なカップルと知り合い、待望の「愛媛のおもてなし」ができて本当に良かった。ラストの涙のシーンも感動的だった。
  • インバウンドを取り上げる内容に目新しさはないが、ハネムーンに焦点を当てたところがニッチを狙った視点で良かった。訪日外国人の認知度で愛媛県が最下位という結果や伸び率が1位という点について、背景説明や分析なども番組に少し加えても良かったのではないか。
  • ハネムーンカップルを探すという苦労の連続がドキュメンタリータッチで描かれ、その部分に時間が割かれていて、ディレクター本人に密着したのは良かった。神様が味方してくれたとしか思えない素敵なエンディングだった。パイロットを目指していたディレクターが網膜剥離で断念し、南海放送に入社したという経歴に触れていたのも、構成を深くしていたと思う。
  • 密着した取材対象者が本当に楽しんで喜んでいたのがわかり、信頼関係も生まれていたと思う。地方のリアルな取材に説得力を感じた。地道な取材や誠実な素材づくりが、番組全体の面白さのエッセンスになって、報われてほしいと思った。
  • キー局とのタッグも含めて、どんどん新しい企画に挑戦してやって行くべきだと思う。ウケる、ウケないはもちろんあると思うが、やってみないとわからない。チャレンジしていくことが必要だと感じた。

続いてラジオ沖縄が制作した2024年度日本民間放送連盟受賞作品「白線と青い海~早川さんと饒平名さんの730(ナナサンマル)」の合評を行いました。委員の主な意見と感想は次のとおりです。

ラジオ番組
2024年度日本民間放送連盟受賞作品「白線と青い海~早川さんと饒平名さんの730(ナナサンマル)」

放送日時:2024年12月29日(日)18:00~19:00(ラジオ沖縄制作)

番組概略

2024年日本民間放送連盟賞「グランプリ」受賞作品です。

1978年、沖縄の道路を一夜にして右側通行から左側通行に変えた交通変更で一緒に働いた仲間を探してほしいという電話がきっかけ。前半は、困難と思いつつ呼びかけた生ワイド番組のダイジェスト。後半は、当時の取材音源も交え、運命の日の朝となった県民にも知られざる「730大作戦」を伝えます。

<グランプリ選考理由>
リスナーが自分事のように人探しを手伝う姿に、ラジオというメディアが単なる一方通行ではなく、リアルタイムで人と人を繋ぐ存在であることを改めて感じた。丁寧な取材から得られた数々の証言が印象深く、730を知らない世代にも一大プロジェクトであったことがよくわかる構成である。歴史的事実がしっかりと語られている安心感と面白さがうまく絡み合った奇跡的ともいえるよい番組である。

各委員の意見
  • 「人探しが埋もれつつある沖縄の歴史と結びついていた」という筋書きのないドラマが展開され、感動を覚えずにはいられなかった。結果的に名もなき人が足跡を描き出した構成を高く評価したい。米軍基地の状況を含めた本土と沖縄の戦後に関する温度差をあらためて思い知らされた。
  • この番組を聞くまでは「730」の意味すら知らなかった。1本の電話から始まった人探しに、リスナーが呼応して次々と情報が集まってくる様子にラジオの底力を感じた。念願の本部の海で泳いだ時の波の音も印象的で、番組作りに一役買っていた。
  • 聴き手側も出し手側もラジオというツールを過不足なく使い、50年ぶりの二人の出会いをつないだことは奇跡であり作ってできることではないと感じた。1時間の番組から一生忘れられない情報を得られ、妙に興奮して楽しかった。
  • 人探しに留まらず、沖縄の歴史である「730」や返還当時の出来事を取材されていく様子は聴き応えがあった。同行取材でなかなか聞けないような話も飛び出すなど、取材を徹底的にされるのがラジオ沖縄の強みだと感じた。最後の本部の海でおじいさん二人が青春を取り戻したかのようにはしゃぐ場面では、キラキラとした映像が目に浮かんだ。
  • 一つ一つの音へのこだわり、一つ一つの言葉へのこだわり、一つ一つの生の大衆の言葉、それらを引き出す力が奇跡的に全部重なった結果がこの作品の凄さになっていて、もっと言えば沖縄県民を讃えている。ラジオの想像力を掻き立て人々の心を動かすという本来の力を、あらためて感じさせる番組であった。
  • 「昔の仕事仲間に会いたい」というリスナーの思いを受け止めて、ドラマチックな展開に導いた素晴らしい番組だった。様々な情報が生の声でリアルに流されたところはラジオだからこその良さが大いに活かされた場面だと思った。聞いていてあっという間の1時間で日本民間放送連盟賞のグランプリを受賞した作品だということもうなずける番組だった。

以上
(番組審議会事務局)

番組審議会委員名簿

稲葉隆一(委員長) 大一ガス(株) 代表取締役会長
村田毅之(副委員長 松山大学 法学部教授
山田ひろみ 陶芸家
徳田明仁 愛媛大学 ミュージアム准教授兼広報室副室長
近藤路子 (株)フードスタイル 代表取締役
宇佐美まこと 作家
長井基裕 愛媛新聞社常務取締役常務執行役員