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番組審議会

番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。


第737回 番組審議会

第737回番組審議会が、4月21日(火)本社8階役員会議室で開かれました。
7名の委員より、テレビの合評番組について審議が行われ、南海放送が制作した『みんなで防災プロジェクトin EHIME 特別番組 共に備える』について、委員から次のような意見が出されました。

テレビ番組
『みんなで防災プロジェクトin EHIME 特別番組 共に備える』

放送日時:2026年3月22日(日)15:00~16:00(南海放送制作)

番組概略

南海放送では、2025年度から「みんなで防災プロジェクト」と題し、産官学で連携し、放送やイベントを通して愛媛の防災・減災に取り組んでいます。その一環として1時間の防災特番を放送。今年度「NEWS CH.4」の防災コーナー「CH.4防災」で放送したものを再構成しつつ、news zero藤井貴彦キャスターをお迎えして新規取材も盛り込みながら、備えることの大切さを伝える特番となっています。

2025年度は南海トラフ地震の被害想定が新たに公表されたほか、カムチャツカ半島付近の地震による津波や青森県での地震など備えの重要性を再認識する機会が多くありました。そこで地震に関する取材を中心に、大きく三つのテーマに分けて構成しています。まずは藤井キャスターの目線で見た愛南町の地域と大学生の連携事業、二つ目に様々な年代で自分事として進む県内の備え、三つ目に能登半島地震で再び注目され、新しい南海トラフ地震の被害想定にも盛り込まれた災害関連死を減らすためにできることです。藤井キャスターの目線で愛媛の防災を取材していただくと同時に、視聴者が備える上でのヒントになる情報を盛り込み、視聴者自身が命を守るきっかけ、気づきにつながることを目指しました。

各委員の意見
  • 30年以内に南海トラフ地震が非常に高い確率で発生すると予測されている中で、今回の番組のように被害想定や対策のリアルな実態を知ってもらうことは、視聴者のこれまでの考え方を根底から変えて新たな備えへの動きを生み出す確実なきっかけになるはずである。放送局としては今後も積極的に防災減災に関する情報をアピールして持続的な啓発活動を続けていくべきであり、災害はいつどこで起こるかわからないからこそ、視聴者が不安を乗り越えて防災をより身近な問題として捉えられるような番組づくりが何よりも重要だと思う。
  • 南海トラフ地震の深刻な被害想定を最初に数字で明確に示して視聴者を引き付けつつ、愛南町における大学と連携した実践的な防災教育や中高生による自発的な防災活動、さらには災害関連死を防ぐためのトイレ問題に至るまで、地域や世代を超えた参考になる事例が盛りだくさんに紹介されていた。藤井キャスターの実体験に基づく説得力あるコメントも番組のメリハリを高める効果を生んでいたため、全国各地で災害が相次ぐ一方でその記憶がすぐに風化してしまいがちな現在の社会において、この防災減災番組は非常に価値があり優れた内容だと思う。
  • 視聴者の正常性バイアスを打ち破り当事者意識をより強く持たせるためには、保険の適用範囲や公的支援制度など被災後の生活再建に関するリアルな情報を取り上げたり、人間の本能的な不安に対する打開策として「楽しいこと」をパッケージとして提示したりする工夫が不可欠である。マクロな視点からミクロな視点へと個人に突き刺さるようなリアリティーのある番組作りをすべきであり、漠然とした恐怖を具体的な行動に変えようとする戦略的で論理的な構成を大いに評価しつつも、さらなる意識変容には不安を打開する情報提供が重要だと感じた。
  • 小学生から大学生までの若い世代や沿岸地域にお住まいの方々が、夜の避難路の確認や大学との継続的な勉強会などを通じて非常に真剣に防災に取り組んでいる姿に深い感銘を受けた。いまだに何の備えもしていない安気な大人の自分を心から恥ずかしく思うほどの強烈で大きな気づきを与えてくれたため、この番組は視聴者一人ひとりの防災に対する意識を根底から変えていく力を持っており、人々の命を守るための多種多様な取り組みの紹介を通じて、今後必ず起こる災害への備えや個々の自覚を深く見つめ直させる意義深い番組だと思う。
  • 被害想定の数字が持つ浸水の深さなどの危険性の意味をもっと丁寧に伝えて欲しかったと感じた。東予地域の対策状況や避難施設完成までに要した費用といった他地域が参考にするための具体的な情報を含めたりするために、細切れの情報を駆け足で次々と伝えるのではなく、テーマをもっと絞ってより深く掘り下げるべきであり、長期にわたる密着取材の成果とキャスターの的確な言葉の選択により中身の濃い番組にしっかりと仕上がっているものの、視聴者に影響を実感させるための情報伝達の工夫や番組構成にはさらなる改善の余地が残されていると感じた。
  • 身近な三津浜地区の津波想定が大きく見直された事実を知って愕然とし強い危機感を抱く一方で、愛南町での優れた防災教育や若者の取り組み、そして「自分が犠牲になった時のために周囲に気持ちを伝えておく」というキャスターの心に刺さる言葉に触れて自身の防災意識の低さや備えを持続することの難しさを痛感したため、今後は首都直下型地震に備える東京との比較を取り入れたり地域の歴史を共有したりすることで住民の意識をさらに高めていくべきであり、番組を通じて自身の甘さを自覚するとともに地域の防災力向上の必要性を強く感じた。
  • 防災をあまり身近に感じていない層にとっても、「夜の防災散歩」や災害時のトイレ問題などすぐに行動に移したくなる有益な情報が非常に分かりやすくまとまっていたと感じた。今後はより多くの人の関心を惹きつけるために、保険など生活再建に関わる個人的な損得や「楽しさ」「お得感」といった要素をあえて番組に取り入れると視聴のモチベーションに直結すると思う。テーマ別の構成が明確で視聴者の自発的な行動を促す充実した内容であることは間違いないものの、防災の無関心層を振り向かせるためのさらなる工夫が有効だと思う。

以上
(番組審議会事務局)

番組審議会委員名簿

稲葉隆一(委員長) 大一ガス(株) 代表取締役会長
村田毅之(副委員長 松山大学 法学部教授
山田ひろみ 陶芸家
徳田明仁 愛媛大学 ミュージアム准教授兼広報室副室長
近藤路子 (株)フードスタイル 代表取締役
宇佐美まこと 作家
長井基裕 愛媛新聞社常務取締役常務執行役員