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番組審議会

番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。


第741回 番組審議会

第741回番組審議会が、9月28日(月)本社8階役員会議室で開かれました。
7名の委員より、テレビ、ラジオそれぞれの合評番組について審議が行われ、テレビ番組では南海放送が制作した 日本のチカラ 「さかゑばあちゃんのカレーな人生」について、委員から次のような意見が出されました。

テレビ番組
日本のチカラ 「さかゑばあちゃんのカレーな人生」

放送日時:2026年8月3日(月)10:25~10:55(日本のチカラ内)(南海放送制作)

番組概略

愛媛県新居浜市に、おととしオープンしたカレー専門店「酒井カリー」。ここで働くパートスタッフは平均年齢77歳のおばあちゃんたちです。きっかけは、「75歳以上のパートさん募集!」と書かれた求人広告でした。約60人の応募の中から選ばれた、6人のおばあちゃんたちの「第二の"カレーな"人生」が、酒井カリーのオープンとともに始まりました。中でもひときわ存在感を放つのが、77歳の看板娘・尾崎さかゑさん。ちょっと多めのスキンシップとおせっかいが評判です。昭和23年、愛媛県四国中央市に生まれたさかゑさんは、幼い頃に両親を亡くし、中学卒業後はすぐに京都の紡績工場に就職。3年半働いたあと愛媛に戻り結婚しましたが、長くは続きませんでした。それ以降、死に物狂いで62年間働き続けてきました。しかし、2024年。75歳で酒井カリーと出会い、さかゑさんにとって「働くこと」の意味が大きく変わりました。「昔と今では働く楽しさが違う」と語るさかゑさん。酒井カリーがさかゑさんに加えた人生のスパイスとは。スパイシーでコク深め、カレーな人生を送るさかゑばあちゃんの日常を追いました。

各委員の意見
  • 「75歳以上のパート募集」という求人に注目し、高齢者が生き生きと働ける場を提供しつつ魅力的で深みのある言葉で接客する姿勢や、人手不足時代における高年齢者の有効活用という観点を提示したことから、社会貢献とビジネスモデルを両立させた本番組の取り組みは高齢化社会において非常に参考になると思う。
  • 人生の苦難を乗り越えたおばあちゃんたちの深みのある言葉や車で通勤する姿、客と双方で支え合う温かい空間や、未経験の仕事に挑む姿勢を雇用側・働く側の双方から捉えたことから、高齢者が元気に社会参加して希望を与える様子は「日本のチカラ」というタイトルにまさしく合致していると感じた。
  • ナレーションの落ち着いたトーンや、人生相談に乗る会話などの細やかな映像表現、さかゑさんの整えられた暮らしぶりに表れる生き様を丁寧に拾い上げた編集を評価したことから、人手不足が常態化する現代において高齢者の力を生かす成功例を示した本番組は前向きな気持ちを与えてくれると思う。
  • 店に来る客と楽しく会話を弾ませる様子や日常の機微を残した編集、および「人と人とのつながりが社会の利益になる」という社長の理念に共感しつつ、創業のきっかけやレシピといった背景の掘り下げを求めたことから、単なる労働の場を超えて互いに温かい関係を築く憩いの空間を描き出せていると感じた。
  • 過酷な半生という「影」を中盤で見せることで前半の明るい笑顔が持つ深みや感謝の重みを際立たせ、効率や数字ばかりが優先される現代社会に向けたメッセージを込めていることから、苦難を乗り越えて生きがいを見出す姿を描いた構成は「人肌の温もり」と人間愛に満ち溢れた傑作だと思う。
  • 一人で暮らす静けさや壮絶な生き様と職場でのエネルギッシュな姿とのギャップが生々しく、取材の密着時間や背景事情の説明不足といった課題を感じつつも、社会とのつながりが孤独を打ち消し明日への活力を生む描写に感銘を受けたことから、見る側にも「生きる意味とは何か」という問いを深く投げかける作品だと感じた。

続いてラジオ番組は、南海放送が制作した 追悼特別番組「ありがとう 友近ママの魔法の引出し 」の合評を行いました。委員の主な意見と感想は次のとおりです。

ラジオ番組
追悼特別番組「ありがとう 友近ママの魔法の引出し 」

放送日時:2026年8月1日(土)19:00~20:30(生放送)(南海放送制作)

番組概略

FM南海放送ラジオのワイド番組「友近ママの魔法の引出し」のプレゼンター、友近千鶴さんが2026年7月27日(月)に亡くなられました。5月末から闘病生活をされており、番組のプレゼンターは休演しておりました。復帰を心待ちにしておりましたが、そのまま帰らぬ人となられました。亡くなられたその週、最後のレギュラー放送日に追悼特別番組として、弊社PALスタジオ前を開放し放送を行いました。会場には祭壇を設け、画家としても活躍された友近千鶴さんの描かれた絵やお写真、愛用の携帯ラジオなどを展示しました。

2025年にスタートした「友近ママの魔法の引出し」。これまでの貴重な放送回をアーカイブ音源で辿るとともに、リスナーから寄せられた数々の感謝の便りを取り上げ、温かいメッセージを届けました。

当日は友近千鶴さんの長女ならびに97歳のご母堂様が駆けつけ、番組内での特別ゲスト出演が実現。家庭での人柄や思い出をユーモラスに語っていただきました。長年支え続けたスポンサー各社からも、放送外での親交をはじめとする心温まる回想が寄せられました。会場となったスタジオ前にはおよそ50人のファンが集い、深い愛しみと笑顔の交錯する中で友近さんを偲ぶ90分間の追悼生放送となりました。

各委員の意見
  • 湿っぽくならず明るく軽快なテンポで進行した点や、友近ママを直接知らない聴取者にもその大らかな人柄や魅力が十分に伝わる内容になっていたことを評価したことから、故人の足跡と南海放送での仕事を振り返る上で非常に価値のある追悼番組であったと思う。
  • 長年プレゼンターとして起用され続けた理由や喋り手としての魅力を尋ねつつ、自身が過去に励まされた個人的な思い出を振り返り、旺盛な好奇心や独特の視点が多くの人々に愛されていた背景を語ったことから、地域社会に親しまれた故人の存在感と愛される人柄の深さを改めて実感したと感じた。
  • 短期間での素材発掘・構成のご苦労を労いながら、公開生放送の会場がまるでお別れの会の二次会のように温かく、今にも友近ママが話に割り込んできそうな臨場感に包まれていた点を挙げたことから、急な訃報でありながらも愛にあふれた温かい放送になっていたと思う。
  • 急逝からわずか数日での素早い番組立ち上げや公開生放送・ご家族の出演に至る経緯を尋ねつつ、進行役の自然な語り口によって友近ママの人柄にふさわしい和気藹々とした雰囲気が作られていたことを評価したことから、過度な悲壮感のない非常に好感の持てる追悼番組だと感じた。
  • 直前の病室での肉声を含むアーカイブ音源の立体的な構成や、会場にゆかりの品を飾る体験空間の共有など、悲しみではなく感謝と前向きな姿勢を伝える細やかな工夫があったことを挙げたことから、地域全体で温かな記憶を共有し笑顔で送り出す貴重な時間になっていたと思う。
  • 準備期間が短く進行のバタつきや相関図の整理不足が見られた点を指摘しつつ、生い立ちや貫いた姿勢などの掘り下げ、関係者コメントの分類、デジタル追悼展といった多角的な展開を提示したことから、速報性を優先した対応を理解しつつも故人の実像や本質をより深く丁寧に伝えてほしかったと感じた。

以上
(番組審議会事務局)

番組審議会委員名簿

稲葉隆一(委員長) 大一ガス(株) 代表取締役会長
村田毅之(副委員長 松山大学 法学部教授
山田ひろみ 陶芸家
徳田明仁 愛媛大学 ミュージアム准教授兼広報室副室長
近藤路子 (株)フードスタイル 代表取締役
宇佐美まこと 作家
長井基裕 愛媛新聞社 専務取締役 専務執行役員