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受賞者決定

受賞作品

  • 最優秀賞
    『枇杷の独り言』
    風月堂
  • 優秀賞
    『夢の終わり』
    椿あやか
  • 優秀賞
    『ハウスキーパー』
    そるとばたあ
  • ㈱ベルモニー賞
    『身寄り』
    Kumita
  • ㈱ベルモニー賞
    『折れた心の修理士』
    中谷直樹

  • 入賞作品
  • ▼ こちらでご覧いただけます

    『枇杷の独り言』 by 風月堂

    私は君に生かされた。気まぐれで庭に埋めた君は、私の芽吹きに色めき立つ。
    「お母さん、でた!」
    誕生を祝福されながら庇護され、名前をつけられ、適切な水や身の回りの世話を受けた。それが当然でないと気づく頃には、私は君をとっくに追い越していた。毎年のように枇杷をもいで食べていた君は、独り言のように呟いた。
    「来年は食べれないな......」
    次の年、君は来なくなった。お母さんは来てくれていたけど、随分歳をとった。私の実は小鳥や烏が食べに来た。遠くで私の種が芽吹く。でも私にとってはこの小鳥や烏、根のモグラ居眠り猫。そして君たちが家族だ。
    久しぶりに来た君は、歳をとり子どもを連れて来てくれた。黒い服に物憂げな横顔。それから笑ってくれた。
    「また、一緒だね。新しい家族だよ、よろしくね」
    君にそっくりな新しい人間、小さくて愛らしいね。ようこそ世界へ。私は君のお父さんの、小さい頃を知っている。甘い実を約束しよう。
  • ▼ 朗読をお聴きいただけます

    『夢の終わり』 by 椿あやか

    とてもこわくてくるしい夢をみて、

    ずっと逃げてうなされていたら。

    ......ちゃん。
    ──お兄ちゃん。
    ──お兄ちゃん。

    噫。
    妹の声がする。
    起きなくちゃ。

    僕はお兄ちゃんだからな。
    心配かけたりしないんだ。

    そう思ったら、瞼の向こうが明るくなって
    あまいかおりがした。

    百合の花の香りだ。

    僕はゆっくりと目を覚ます。
    いつもの家。
    たくさんのお花。
    お菓子。本。CD......。
    僕の好きなものが全部置いてあった。

    それに

    おとうさん。

    おかあさん。

    いもうと。

    おとうと。

    おばさん。

    いとこたち。

    みんないる。

    ああ。みんないる。

    こんなにみんながあつまるなんて、ひさしぶりだなぁ。うれしいな。

    でもなんでだろう。

    みんな泣いている。

    それに、おかしいな。

    ぼくはここにいるのに。

    ベットにねているのは


    ボクだよ。
  • ▼ 朗読をお聴きいただけます

    『ハウスキーパー』 by そるとばたあ

    彼女の家にいくと、彼女のお父さんが玄関の前にいた。
    わざわざ出迎えを?ゴールキーパーの格好だけど。
    『初めまして』
    僕が近づくと顔面をパンチングされ、その場に倒れた。駆けつける彼女。
    「必ず、決めて!」
    決める?
    『あの、これ』
    手土産を渡すと受けとってもらえた。
    やった!と思った瞬間、前線へと蹴り飛ばされた。
    彼女のお母さんがママチャリで追う。見事な連携だ。
    「この家の敷居は跨がせない」
    そういうことか。よしっ。
    フェイントをかけ、お父さんの逆をつく。
    決まった!
    が、腕が伸びてきて、僕は玄関ポストに弾かれた。
    ここでホイッスル!審判姿のおじいちゃんだ。いい位置からのリスタート。
    『娘さんを幸せにします!』
    真正面からぶつかった。受け止められる。構わない。僕らは玄関に倒れこんだ。
    「母さん、お茶だ」
    お父さんは笑っていた。
    もうすぐ、10人家族のここが僕のホーム。
    イレブンに加わるんだ。
  • ▼ 朗読をお聴きいただけます

    『身寄り』 by Kumita

    無口な男に連れられてここに来た。十分な説明はなかったが、おそらく僕と同じように身寄りのない人が集められた場所だろう。
    男の手で扉が開けられた瞬間、眩しさに一瞬目を細めた。部屋に一歩踏み入れた僕を、数十人の人が笑顔で迎えてくれた。
    「よく来たな」と日に焼けた男が拍手する。「いい男じゃん」と髪の長い女性が微笑み、「待ってたよ」と恰幅のいい男が手まねきする。
    戸惑っていると、高齢の上品な女性が僕の背に細い手を添えて「私たちを家族と思ってね」と声をかけてくれる。
    家族。
    親兄弟の記憶もなく孤独だった僕に初めてかけられた言葉だった。
    思わず溢れた涙を拭う僕の背中を撫でながら、女性が中に導いてくれた。

    人の気配がないはずのこの部屋に入ると、なぜかいつも空気がざわつく。
    住職は手に持った無縁仏の骨壷を、空いたスペースにコトリと置いた。
    そして深い敬意とともにしばらく手を合わせ、納骨堂の扉を閉めた。
  • ▼ 朗読をお聴きいただけます

    『折れた心の修理士』 by 中谷直樹

    我が家には世界一の修理士がいる。

    折れた心を直す為に、自分の心を溶かして接着する修理士。
    父は名の知られた職人で、修理件数でギネスに認定もされた。けれど近頃どうも物足りないらしい。
    「最近の若いのはちょっと辛いとすぐに修理に来る。昔は文字通り砕けるまで我慢したもんだ」
    こうなると、三浪した東大生から大怪我を負ったプロ野球選手まで修理の武勇伝の枚挙に暇が無い。
    しかしいつも愚痴が過ぎて母の怒りを買う。
    「そのお客さんのおかげで今こうして食べられてるんでしょうが!粗末にしたら昔みたいに貧乏になるよ!」
    途端に先程の威勢はどこへやら。か細い声で「む、昔の話はするなよ」と俯いてしまう。
    「まあ、そうやって誇り持って仕事するあんたに惚れたんだけどね。頼むわよ、大黒柱!」
    たちまち父はご機嫌になり、我が家は幸せに包まれる。
    一言二言で父の折れた心を治してしまう。母こそが世界一だと、私は思うのだ。
  • ペンネーム作品タイトル
    矢口慧『花咲く会話』
    田辺 ふみ『大家族』
    ぬらりひょん『家族保険』
    松山帖句『おじいちゃんの将棋盤』
    パンスト和尚『町の伝記屋さん』
    rantan『あめの便り』
    むう『風』
    壬生乃サル『ボクの役目』
    のりてるぴか『庭に隠した親父の願い』
    あおい『星を摘む旅人』
    ぱせりん『帰省中』
    おぼろ げ『突然の筋肉』
    渡部美穂『私はヤモリ』
    おっくん『理想の家族』
    菅隆司『僕の想いオモイ?』

総評


審査委員長 田丸雅智

たくさんのご応募、ありがとうございました。
家族というテーマに対して、ささやかな日常を舞台にしたものから、宇宙や死後の世界などの非日常を舞台にしたものまで、様々な切り口の作品が集まり、とても刺激的でした。2時間に及んだ最終審査会も濃密で、多視点から活発な議論を交わすことができたように思います。
受賞作は、特に粒揃いの作品です。ぜひ、400字の世界をお楽しみください

⇒ ショートショートガーデンHP

南海放送ラジオ特別番組

  • ● 番組名:「不思議な家族の物語」
    ~株式会社ベルモニー presentsショートショートコンテスト受賞作品より~
  • ● 放送日時:2019年 3月 日曜日(5回シリーズ) 16時30分~16時40分
  • ● 放送スケジュール
    3月3日㈱ベルモニー賞ペンネームKumita『身寄り』
    3月10日㈱ベルモニー賞ペンネーム中谷直樹『折れた心の修理士』
    3月17日優秀賞ペンネーム椿あやか『夢の終わり』
    3月24日優秀賞ペンネームそるとばたあ『ハウスキーパー』
    3月31日最優秀賞ペンネーム風月堂『枇杷の独り言』

南海放送テレビ特別番組

  • ● 番組名:「不思議な家族の物語」
    ~株式会社ベルモニー presentsショートショートコンテスト受賞作品より~
  • ● 放送日時:2019年 3月25日 月曜日 22時54分~
    ペンネーム / 風月堂 『枇杷の独り言』ご紹介
● 受賞作品20篇は「(株)ベルモニー」発行の小冊子に掲載させて頂きます

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