< 第42回「ギャラクシー賞」優秀賞受賞 >
・・平成17年5月31日・・

 放送批評懇談会が主催、NHK・民放作品が参加した第42回「ギャラクシー賞」が5月31日発表され、南海放送が制作したテレビ番組『くもり ときどき、 晴れ〜今治大浜・小さなご近所物語〜』(平成16年9月28日放送・55分番組)がギャラクシー賞優秀賞を受賞しました。

 「ギャラクシー賞」は放送批評懇談会(理事長:志賀信夫)が日本の放送文化の質的な向上を目指し優秀番組・個人・団体を顕彰する為に1963年創設して以来、放送批評懇談会の会員が一貫して審査にあたり賞の独自性を維持している、日本で最も権威ある番組コンクールのひとつ。ドラマ・ドキュメンタリー・エンターテイメントなどの番組ジャンルを超えての審査会で、今年度は合計200を超える番組がエントリーされた。同作品は去年11月18日の上半期審査会で上期のギャラクシー賞に選ばれていた。

 今回の審査は、4月に決定した下半期の7作品とあわせ、平成16年度の14作品で最終審査が行われた結果、優秀賞に南海放送の番組など3作品が選定された。〔注 別記〕

 『くもり ときどき、晴れ』は「小さな町の何気ない日々の営みから、人間の'生きる力'と'愛おしさ'を見事な映像構成で描いた秀逸なドキュメンタリー」との評価で今回の受賞となった。
 同番組は財団法人・放送番組国際交流センター(JAMCO)が選考する平成16年度・国際版制作番組にも選定されている。
 なお、南海放送の作品では『クマガイ草〜小さな村の小さな奇跡の物語〜』が第40回2002年度ギャラクシー賞優秀賞を受賞している。





『くもり ときどき、 晴れ〜今治大浜・小さなご近所物語〜』
・・2004年9月28日放送・・

【番組概要】

 しまなみ海道は来島海峡大橋のおひざもと今治市大浜地区。昔懐かしい風情が残るこの海辺の町で小さなお好み焼店「昌万」を営む女主人、桧垣瑞穂さん(ミーコちゃん)が暮らしている。
 ミーコちゃんの豪快な笑顔と軽妙なトークに惹かれて、「昌万」は常連客で大人気。その「昌万」のご近所は…94歳・独居のおじいちゃん、100歳の義父を介護しているミーコちゃんの幼友達、そして犬だけが相手のこれまた一人暮らしのおばあちゃん、さらに目立つ'空き家'…など、高齢化・過疎化が進んでいる。番組ではミーコちゃんの「ご近所さん」の日常に起こる小さな出来事や、今では死語(?)とさえ言えるご近所付き合いに密着。濃密な交流の「ご近所物語」を描く。


《出演》
〇桧垣瑞穂さん(58歳・今治市大浜在住)
  …ほか大浜地区の皆さん。

《スタッフ》
〇プロデューサー 大西 康司 (南海放送)
〇ディレクター 寺尾 隆  (南海放送)
〇撮 影  安庭 慎也 (プロジェクトM)
〇ナレーション 永江 孝子 (南海放送)

<ディレクターよりごあいさつ>

 『くもり ときどき、晴れ』。この番組は、日本の片隅の『ご近所さんたち』を定点観測した物語です。かつて日本のどこの町にも村にもあった『人と人とのつながり』。しかしそのつながりはどんどん希薄になり、地域社会は崩壊しつつあります。
 『ご近所』という言葉は今や死語にすらなりつつある・・・そんな"今"という時代に、しっかりつながりあって生きている人たちがいる−そこに私たちは不思議な輝きを感じました。
 舞台となった愛媛県今治市大浜地区は、800人ほどの人たちが暮らすちいさな漁師町です。私たちはその中でも大浜1丁目、わずか200メートルほどの通りに住む人々に密着、その日々の営みを丁寧に追い続けました。独居、介護、過疎高齢化・・・現代日本の縮図のような問題を抱えながらも寄り添いあい、笑いあいながらしっかりと生きている人々。それぞれ何かを背負った人生。その人生模様が大浜一丁目という小さな世界で交差してゆきます。そしてそこから見えてきたもの・・・それは、人間の生きる力、人間の愛おしさでした。
 私達はいま、「全てを疑う時代」を生きています。人間を信じること、人間の生きる力を失くしていっています。そんな中で今治大浜の小さなご近所には『時代の落し物』が詰っています。
 『人は人と生きるということ、そして人間は愛しいものであること・・・。』
 そしてそれこそが日本人の今は失いつつある根っこのようなものであり、皆が今、もう一度思い出さねばならない、大切なもののように感じます。
 主人公の一人、ミーコちゃんは言います、『出来るだけのことよ。ふつうが幸せじゃろ。』背伸びせず、小さな幸せを幸せと感じる人々の小さな物語がギャラクシー優秀賞という大きな評価を頂けたことを本当に嬉しく思います。取材にご協力頂いた、大浜1丁目の皆様、本当にありがとうございました。

南海放送 報道制作センター
寺尾 隆




 
【受賞番組一覧】
第42回(2004年度)ギャラクシー賞受賞作品 テレビ部門
ギャラクシー大賞  
■日本テレビ放送網
 2004.11.3 放送
わらってコラえて!文化祭 吹奏楽の旅 完結編
 一音入魂スペシャル
ギャラクシー優秀賞  
■南海放送
 2004.09.28放送
くもり ときどき、晴れ
 〜今治大浜・小さなご近所物語〜
■中京テレビ放送
 2004.06.27 放送
NNNドキュメント04
 見過ごされたシグナル 〜検証・高速トラック事故〜
■テレビ東京
 2005.02.27放送
開局40周年記念番組
 市原悦子ドラマスペシャル「黄落、その後」

<選評(RNBのみ)
港町の小さなお好み焼き屋を軸に、定点観測とも言えるカメラとマイクが見事に日常を切り出した基本に忠実なドキュメンタリーです。過疎・高齢化を、ご近所という温かさで包みつつ冷徹に見通す視点はあまりにも見事です。